【コラム】相手の感情に巻き込まれない5つのコツ
クレームを受けると、誰しも心臓がドキドキしたり、呼吸が速くなったりすることがあります。
クレーム対応は、感情との戦いとも言えます。
相手の怒りや不満に巻き込まれず、冷静に対応するには、いくつかのコツがあります。
できそうなものからやってみましょう。
1. 深呼吸で自分を落ち着かせる(最優先)
感情的な言葉にさらされると、つい反射的に反応したくなります。その時発した言葉や反応が、話をこじれさせてしまうこともあります。
そうならないために、まず深呼吸を心がけましょう。
具体的なやり方:
- 鼻から4秒吸い、口から8秒かけてゆっくり吐く(吸う:吐く=1:2)
- 相手が話している間に意識的に行う
これにより、気持ちを少し落ち着かせ、冷静な思考を取り戻せます。
2. 状況と感情を切り分けて聞く
相手に強い言葉を投げかけられると、自分が攻撃されているような気分になることがあります。
クレーム対応では、相手の発言を「事実」と「感情」に分けて受け止めるようにしましょう。
たとえば:
- 事実:「加湿器が動かない」「電話がつながらなかった」
- 感情:「何度も電話したのに」「もう二度と来ない」
このように切り分けることで、自分が攻撃されているように感じることが減り、冷静さを保てます。
3. 共感のクッション言葉を挟む
クレーム対応に、クッション言葉は必須!
いろんなバリエーションを持っておくと良いですね。
直接的な謝罪や説明に入る前に、まずは相手の気持ちに寄り添う一言を添えることが有効です。
例:
- 「ご迷惑をおかけし、大変申し訳ございません」
- 「差し支えなければ~」
この一言があるだけで、相手の緊張が緩み、こちらの冷静さも保ちやすくなります。
*どんな時でも同じ言葉を使えば良いというわけではありません。相手の状況や感情、話の内容に合わせて適切な言葉を選びましょう。
4. ポジションチェンジ(第三者の視点を持つ)
クレームを言ってくる人の中には、感情的な言葉ばかりを投げかけてくる人もいるでしょう。
その場のやり取りに集中しすぎると、視野が狭くなりがちです。
そこで、「自分が上司や同僚ならどう見るか?」と一歩引いた視点を持ってみましょう。
コツ:
- 「この方は何に困っているのか?」
- 「もし自分が客の立場ならどう感じるか?」
俯瞰視点を意識することで、感情に巻き込まれるリスクが減ります。
5. 傾聴に徹し、説得は焦らない
相手の話を遮らず、まずは最後まで聞く。これが基本です!
NG行動:
- 途中で言い訳する
- 「でも」「それは違う」と反論する
代わりに:
- 「そうお感じになったのですね」
- 「お話をお聞きしたうえで、確認させていただきます」
こうした受け止め方が、相手の怒りを和らげ、自分の感情もコントロールしやすくなります。
アンガーマネジメントの活用も効果的
クレーム対応の場面では、アンガーマネジメントの考え方も役立ちます。
「アンガーマネジメント」と聞くと、「怒りをなくす方法」と思われがちですが、実際は違います。
怒らないようにするのではなく、上手に怒れるようになるための心理トレーニングです。
アンガーマネジメントでは、自分の衝動・思考・行動をコントロールする方法を身につけます。
トレーニングを重ねることで、自分の怒りの傾向を客観的に理解でき、感情に振り回されずに冷静な対応ができるようになります。

