【コラム】クレーム対応で使える6W3H

情報を正確に引き出す技術

クレーム対応の現場では、感情に圧倒されるのではなく、冷静に状況を把握する力が求められます。

その鍵となるのが「6W3H」という情報整理の視点です。

ここでは、前回の事例をもとに、実際にどのように6W3Hを活用して情報を引き出すのかを解説します。

事例

家電量販店で購入した加湿器が、初期不良でまったく作動しなかった。電話で問い合わせたものの「担当が不在」「折り返す」と言われ、結局対応が進まず、怒りを抑えきれなくなったお客様が直接店舗に来店したケース。

「6W3H」で引き出すべき情報

1. When(いつ)

  • 加湿器を購入されたのは「いつ」か?
  • 故障に気づいたのは「いつ」か?
  • 初めて連絡したのは「いつ」か?
  • 折り返しの連絡がなかったのは「いつ」のことか?

2. Where(どこで)

  • どの店舗で購入されたのか?
  • 自宅のどの部屋で使用したのか?(湿度や環境に影響する場合がある)

3. Who(誰が)

  • 購入されたのはご本人か、それともご家族か?
  • 対応したスタッフの名前や担当部署は?

4. What(何を)

  • 購入した加湿器のメーカー・機種名は?
  • 具体的にどのような不具合があるのか?(電源が入らない、水が漏れる、音が異常など)

5. Why(なぜ)

  • 顧客が「なぜ」店舗に来店することにしたのか?
  • 電話でのやり取りで何が不満だったのか?

6. Whom(誰に)

  • 最初の電話で対応したのは「誰」だったか?
  • 「誰から」連絡が来ると説明されたか?

7. How(どうやって)

  • 顧客はどのように店舗へ連絡したのか?(電話、メールなど)
  • 店舗側はどのように応対したのか?

8. How many(どのくらい)

  • 購入してから何日経っているか?
  • 対応にかかった日数は?

9. How much(どの程度)

  • 加湿器はどのくらいの価格帯の商品だったか?
  • 被った不利益はどの程度と感じているか?(例:健康被害、不快感、二度手間など)

なぜ6W3Hが重要なのか?

感情的な言葉の背景には、必ず何らかの事実があります。
その事実を一つひとつ丁寧にすくい取ることで、クレームの本質が見えてきます。

ただし注意が必要なのは、これらの情報を「事務的に」聞き取ろうとしないことです。
矢継ぎ早に質問を重ねると、相手はまるで尋問されているように感じ、かえって不信感を抱いてしまうことがあります。

大切なのは、自然な会話の流れの中で、相手の気持ちに寄り添いながら事実を確認していく姿勢です。
質問の仕方を少し工夫するだけでも、相手に「きちんと話を聴いてくれている」と感じてもらえるようになります。

また、こうして聞き取った内容を社内で共有する際にも、6W3Hで整理されていれば情報が明確になります。
その結果、社内連携がスムーズになり、問題解決までのスピードも格段に高まります。