【コラム】ひとりで抱え込まない。チームを支える上司に必要な相談力

部下のサポートやチームの成果に責任を持つ管理職。

その立場はやりがいがある一方で、「自分が弱音を吐くわけにはいかない」と、一人で悩みを抱え込みがちです。




なぜなら、上司は部下にも上司にも弱みを見せづらく、孤立感を深めてしまうからです。

しかし、その状態はあなた自身の心身を蝕むだけでなく、チーム全体にも悪影響を及ぼしかねません。

今回は、上司が孤立せずに支援を求めることの重要性と、そのための具体的な方法をご紹介します。

1. 孤立から抜け出すための意識改革

まず大切なのは、「相談は弱さではない」という意識を持つことです。

支援を求めることは、決して管理職としての能力不足を意味しません。

むしろ、それは自分自身とチームを守るための「リスクマネジメント」です。

上司が一人で抱え込みすぎると、以下のようなリスクが生じます。

  • 判断に迷い続ける: 疲労やストレスで、冷静な判断ができなくなる。
  • 部下の不調を放置してしまう: 自分のことで精一杯になり、部下の小さなSOSを見逃してしまう。
  • 自分が限界を迎える: 実際、「メンタル不調の部下を支えていた管理職が、次に倒れた」というケースもあります。

このように、支援を求めることは、自分を守るだけでなく、部下とチームを守るためのリーダーとしての行動でもあるのです。

2. 相談先の「ネットワーク」を持つ重要性

これまでのコラムでは、人事や産業医との実務的な連携の重要性には触れてきました。

今回はそれとは違う、「心理的な相談先」や「安心できる話し相手」という視点を持ちましょう。

悩みの内容に応じて相談先を使い分け、日頃から「話せる場」を複数持っておくことが、孤独感を軽減し、問題を整理する助けになります。

相談先の具体例(※実務の連携ではなく「話せる場」)

  • 信頼できる上司・先輩: 直属の上司だけでなく、他部署の先輩など、安心して話せる相手を持つ。
  • 管理職向けの社外コーチングやメンタリング: 客観的な視点から、個人のキャリアやマネジメントスキルの悩みについてアドバイスをもらう。
  • 社外ネットワーク: 異業種交流会や勉強会などを通じて、仕事の利害関係がない人とのつながりを持つ。
  • 産業医やEAP: 会社が導入しているEAP(従業員支援プログラム)を利用し、「管理職向け面談」で専門家と話す機会を持つ。
  • 経営層との対話: 会社が主導する「安心して話せる対話の場」があれば積極的に活用する。

一人で判断しない」「人に話すことで整理される」という効果を実感するためには、あらかじめ相談できる人を持っておくことが大切です。

3. 相談を「一人で抱え込まない」ための実践方法

相談のハードルを下げるために、日々の習慣として取り入れられることがあります。

  • 「話すこと」自体を目的とする: 相談は、必ずしも完璧な解決策を求めるものではありません。むしろ、誰かに話すこと自体が、頭の中を整理し、心の負担を軽くする効果があります。
  • 定期的なコミュニケーション: 人事や産業医との連携を強化し、情報共有や問題解決がスムーズになるよう、月に一度など定期的にミーティングを設定することが効果的です。

4. 上司自身が「相談文化」のモデルになる

「こんなことで相談していいのかな」と悩む部下を支えるには、上司自身が率先して相談する姿を見せることも大切です。

  • 「迷ったとき、〇〇さんに相談したら助けられたよ」とさりげなく共有する。
  • 「私も産業医の面談を受けているよ」と伝える。

これは、相談することが弱さではなく「強さ」の証明であるというメッセージをチームに広げていくことにつながります。あなたのその姿勢が、チームに安心と支え合いの文化を広げていくのです。

まとめ|上司の「相談力」がチームを救う

上司が孤立せずに支援を求めることは、自己管理だけでなく、組織全体の健康を守るためにも重要です。

あなた自身が健やかでいること。それこそが、部下やチームにとって何よりの安心材料になります。今日から「一人で抱え込まない」ための小さな一歩を踏み出してみませんか?