【コラム】自分のバイアスに気づく習慣

アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)をコントロールするには、まず「気づくこと」から始まります。

「自分にはバイアスなんてない」と思いたい気持ちもありますが、アンコンシャス・バイアスは誰にでもあるものです。

だからこそ、まずは「自分にもバイアスがある」と素直に認め、そこから自分の思考の癖に目を向けていくことが重要です。

では、ここからは、自分のバイアスに気づく方法についてご紹介します。

1.「当たり前」を疑う

人は、同じ出来事を見ても受け取り方が違います。

脳は自分が見たいように世界をとらえる傾向があるため、私たちはつい「常識」「普通」「当たり前」だと思い込んでいることを疑いません。

たとえば、

  • 「成果を出す人は遅くまで働いている」
  • 「短時間勤務の人には責任ある仕事は任せられない」
  • 「女性に力仕事は向かない」 など

これらは、無意識のうちに人を評価する基準になっていないでしょうか。

そういった思い込みに気づくことが、アンコンシャス・バイアスと向き合う第一歩です。

2..気づきを記録してみる

「これは私のバイアスかもしれない」と感じたらメモを取ってみましょう。

些細なことで構いません。

家事や育児、仕事をしている時、テレビを見ている時などあらゆる場面において、「これは私のアンコンシャス・バイアスかな?」と感じたことを書いておきましょう。

職場でありがちな例として

  • 「Aさんは自己主張が強いから、チームには合わないと思った」
  • 「部下のアイデアは前例がないから、やめておこうと判断した」
  • 「育児中の社員には負担をかけたくないと思って、大きな仕事を任せなかった」
  • 「決まりかけた内容でも、外国籍の人は自己主張が激しいから空気が読めない」など

また、自分が感情的になったときの記録も記入しておきましょう。

  • 「同僚から『その考え方は違う』と言われ、否定された気がしてモヤモヤした」
  • 「上司に『女性ならではのやり方だね』と言われて嫌な気持ちがした」

このようなメモを1週間程度続けてみると、自分にどんなバイアスがあるのか傾向が見えてきます。

3.視点を変える習慣をもつ

これらのメモを記録したら、ぜひを後から見返してみましょう。

そして「どうしてそう思ったのだろう?」「他の見方もできないか?」と問いかけてみましょう。

例えば「違う」と言われて怒りを感じた場面では、「自分の考えが正しいという前提を無意識に持っていたかもしれない」と気づくことができるかもしれません。

アンコンシャス・バイアスを完全になくしてしまうことはできません。

しかし、「気づく」ことで、物事を斜め45度の角度から見ることができるようになるでしょう。

ほんの少し視点を変えるだけで、視野が広がり、人や出来事に対する見え方が変わっていきます。

アンコンシャス・バイアスに振り回されないために、まずは「気づく習慣」から始めてみましょう。