【コラム】悪質なクレームに臨む心構え
クレーム対応には様々な種類がありますが、「悪質なクレーム」に対しては、通常の対応(正当クレーム対応)とは異なる姿勢と判断が求められます。
ここでいう悪質クレームとは、過剰要求クレームやハラスメントクレームを指し、顧客の立場を利用して不当な要求や嫌がらせを繰り返すもののことを言います。
このような場合、対応者自身や組織を守るためにも、明確な線引きと毅然とした対応が必要です。
以下に、悪質クレームに臨む際の5つの心構えをご紹介します。
1. 「お客様ではない」と認識する(区別の意識)
悪質なクレームをする相手は、もはや顧客ではなく「不当な要求者」や「ハラスメント行為者」であるという明確な認識を持ちましょう。
- 問題解決を目的とせず、威圧や金銭要求、優位性の確保などが目的の場合が多い
- 顧客としての礼遇を適用すべき対象ではない
重要ポイント: 過剰な忖度や同情をせず、冷静に線を引くことが対応者を守ります。
2. 「毅然とした態度」で拒否する(拒否の明確化)
不当な要求には、はっきりと「できません」「承れません」と伝えましょう。
曖昧な返答や安易な謝罪は逆効果です。
- 隙を見せるとさらなる要求がエスカレートする
- 感情的にならず、冷静に断ることが肝心
重要ポイント: 会社のルールや社会通念に基づいて、ぶれない対応を徹底します。
3. 「自分の安全を最優先にする」(自己防衛)
クレーム対応で最も大切なのは、自分自身の心身の安全です。
危険を感じたら、対応を止める勇気を持ちましょう。
- 相手と二人きりにならずに、複数人と対応する
- 録音・録画などで証拠を確保する
- 必要に応じて警察や弁護士など専門機関と連携する
重要ポイント: 安全を守る行動は「逃げ」ではなく「正当な自己防衛」です。
4. 「組織で対応する」という意識を持つ(個人で抱え込まない)
悪質クレームは一担当者で抱えるものではありません。組織で対応する姿勢が必要です。
- 相談やエスカレーションのルートを明確にしておく
- 複数人で対応する、記録を残す、上司と連携する
重要ポイント: 対応者が孤立しないことが、組織の信頼と防衛力につながります。
5. 「解決を焦らない」という覚悟(長期戦を視野に)
悪質クレームは、即時の解決を狙うよりも、粘り強く「同じ対応」を繰り返すことが有効です。
- 会話が平行線でも、毅然とした態度を維持する
- 対応の主導権を相手に渡さない
重要ポイント: 「その場で解決できないこともある」と割り切ることで、冷静さを保ちましょう。
まとめ
悪質クレーム対応は、顧客対応というよりも「組織防衛」と「従業員保護」の観点から臨むべきものです。
これら5つの心構えを社内で共有し、日頃から体制を整えることで、現場での混乱や疲弊を最小限に抑えることができます。
対応するすべての従業員が「守られている」と感じられる環境づくりこそが、悪質クレーム対策の第一歩になります。

