【コラム】クレームの3分類と見分け方を知ろう① 正当クレーム

クレーム対応は「まず正しく見極める」ことから

クレームが入ったとき、あなたはどう対応していますか?
内容をよく聞かないまま、すぐに謝ってはいないでしょうか。

もちろん、誠実さは大切です。

クレームの本来の意味は、「お客様の要求」です。

ただし、要求の性質によってクレームには種類があり、すべてに同じ対応をしていては逆効果になることもあります。

そこで今回は、現場で役立つ「クレームの3分類とその見分け方」として「正当クレーム」をご紹介します。

一番基本となる正当クレーム

1.正当クレーム:解決と改善のチャンスあり!

「正当クレーム」とは、企業やお店側に明らかなミスや不備があり、お客様が実際に困ったり不利益を受けたケースのことです。

たとえば、こんなケース

  • ネットで注文した商品が壊れて届いた
  • レストランでアレルギー対応をお願いしていたのに、間違った料理が出てきた
  • 店舗で購入した家電製品に初期不良があり、動かなかった
  • 接客スタッフの案内ミスで、サービスが受けられなかった

このように、「何が、いつ、どこで、どうなったか」が明確にわかるのが特徴です。

お客様の声には感情的なトーンが含まれていることもありますが、目的はあくまで解決や改善であり、怒りをぶつけることが目的ではないのがポイントです。

見分けるためのヒント

正当クレームは、次のような特徴があります:

  • 具体的な事実に基づいている(日時、場所、出来事など)
  • 企業の落ち度が客観的に認められる(ミスや説明不足など)
  • 問題解決や補償、再発防止を求めている

対応の3つの軸

正当クレームに対しては、以下の3つの対応軸を意識しましょう。

① 謝罪と共感

まずは、お客様の困りごとに真摯に耳を傾けることが大切です。
「ご不便をおかけして申し訳ありません」「お気持ち、よくわかります」といった共感を込めた謝罪が信頼の第一歩になります。

② 原因の説明と解決策の提示

次に、何が原因だったのかをしっかりと調査し、説明しましょう。
そのうえで、返金・交換・修理・再サービスなど、お客様が納得できる具体的な対応策を、できるだけ早く提示します。

③ 再発防止と改善の共有

最後に、同じミスが繰り返されないよう社内での改善方針を伝えることで、信頼回復につながります。

たとえば、「今回の件をふまえ、今後は〇〇という手順を追加します」といった一言があると、お客様の受け取り方が変わります。

「正当クレーム」は、改善のチャンスでもある

クレームは、ただの「面倒な問題」ではありません。

お客様の声に真剣に耳を傾けることで、「ちゃんと話を聞いてくれた」と感じてもらえます。

そうすると、クレームの相手だったはずのお客様が、むしろファンになってくれるもあるのです。
正当なクレームにきちんと向き合うことで、サービスの質を上げ、企業の信頼を高めることができます。

だからこそ、「何を求められているのか?」を丁寧に見極める姿勢が、現場対応の質を大きく左右するのです。

このように、まず「正当クレーム」を正しく見分けることが、すべてのクレーム対応の出発点となります。

次は、より難易度の高い「過剰要求クレーム」について解説します。