【コラム】これはクレーム?それともハラスメント?
「お客様の声」に、どう向き合うべきか?

近年、「カスタマーハラスメント(通称:カスハラ)」という言葉が注目されています。
これは、顧客の立場を利用して、従業員に対して不当な言動をとる行為を指します。
「お客様の言うことは絶対」
そんな価値観が根強く残る現場では、社員が我慢しすぎてしまうこともあります。
しかし、クレームとカスハラはまったくの別物です。
適切な線引きができなければ、心身の疲弊や離職を招きかねません。
クレームとカスハラの違いは?
では、具体的にどこが違うのでしょうか?
ポイントは「目的」と「手段」にあります。
クレームは、不満や困りごとを伝え、改善を求める行為です。
「料理が冷めていた」「商品の使い方がわかりにくい」など、サービス向上につながる建設的な指摘も多くあります。
たとえば、ある飲食店で「提供が遅い」と苦情を受けた場合。
誠意を持って謝罪し、料理を優先的に提供することで、逆に「対応が良かった」と評価されることもあります。
一方でカスハラは、相手を困らせたり、傷つけたりすることが目的になっています。
「土下座しろ」「クビにしろ」「お前じゃ話にならん」といった言葉が出るようであれば、それはハラスメントの域です。
つまり、境界線を見極めて、現場を守ることがカスハラ防止には重要です。
判断が難しいケースもある
しかしながら、すべてが明確に線引きできるわけではありません。
これが一番難しいところです。
感情的に訴えてくるお客様の中にも、本当は不安や焦りが背景にある場合もあります。
しかし、「人格否定」や「威圧的な態度」「長時間の拘束」「プライバシー侵害」などが見られた場合は、一線を越えている可能性が高いと考えましょう。
たとえば、家電量販店での例です。
製品の初期不良で来店されたお客様が、スタッフの顔をスマホで撮影し、「顔をネットに晒してやる」と言ったとします。
これは明確にハラスメントであり、企業として毅然とした対応が必要です。
「気づく力」が現場を守る
大切なのは、「これはおかしいかも?」と気づく視点です。
過剰な対応を求められていると感じたときこそ、冷静な判断が求められます。
現場で働くスタッフが、自分で線引きをするのは難しい場面も多いでしょう。
だからこそ、組織として基準を共有し、「声を上げていい」と伝えていくことが重要です。
クレームは財産、カスハラは阻止
まとめると
- クレームは誠実に向き合うべき声
- カスハラは毅然と対応し、守るべき一線を越えている
この違いを知っておくことは、働く人たちを守る土台になります。
そして同時に、企業にとっての信頼やブランドイメージを守ることにもつながります。
この違いを知ることが、組織と現場を守る第一歩になります。


