【コラム】カスハラ被害を受けた部下へのメンタルヘルスフォロー

カスタマーハラスメント(カスハラ)は、従業員の心身に深刻な影響を与える社会問題です。私自身も過去にカスハラを受け、出社するのが怖くなるほど強いストレスを感じた経験があります。

そのとき、もし上司や会社からのフォローがなかったとしたら・・・。

おそらく、ますます不安が募り、退職やメンタル不調に至っていたかもしれません。

このように、カスハラ被害を受けた際の上司の対応が、従業員の心の支えとなり、安心して職場に戻れるかどうかを左右します。

このコラムでは、上司(管理職)が行うべき具体的なメンタルヘルスフォローのポイントを解説します。

1. 迅速な初期対応と共感的傾聴

発生直後のできるだけ早いタイミングで、以下の対応を心がけましょう。

  • 安全確認と状況把握:まずはカスハラ行為が続いていないか、安全を最優先に確認します。
    そのうえで、部下が安心して話せるよう、焦らず丁寧に聞き取りましょう。
  • 共感と受容の姿勢:「辛かったね」「大変だったね」と、感情を受け止める言葉をかけましょう。
    「よくあること」といった軽視する発言はNGです。
  • 責任の否定と安心感の提供:「あなたは悪くない」と明確に伝え、「会社として守る」という姿勢を示します。

2.上司の適切な声かけ

上司の言葉は、部下に大きな安心感を与えます。

例えば、

  • 「あなたは悪くありません。会社としてしっかり支えます」
  • 「あなたに非はないよ。先ずは気持ちを整理しよう」
  • 「私たち(会社)がきちんと対応するから、一人で抱え込まないで」
  • 「安心できる方法を、一緒に考えていきましょう」
  • 「無理に話さなくていいから、落ち着いたら少しずつでいいよ」
  • 「無理をせず、今の気持ちを大切にしてください」

3. 心身の休養と業務環境の調整

精神的なストレスが大きい場合は、休暇の取得や業務調整などを考えることも必要です。

  • 休暇の取得を促す:精神的ストレスが大きい場合は、無理に仕事を続けず、休息の時間を確保しましょう。
  • 業務調整や配置転換:ストレスの原因が特定の業務や顧客にある場合は、部下の意向を尊重しつつ、業務内容の見直しや部署異動も検討します。

4. 専門機関との連携

部下が気軽に相談できる環境づくりや活用できる制度などの情報提供も重要です。

直属の上司だけでなく、必要に応じて他の相談窓口(人事部門や外部窓口など)を整備することで、相談のハードルを下げ、より早い支援が可能になります。

  • 相談窓口の紹介:社内の産業医、保健師、カウンセラー、または社外のEAPや心療内科など、信頼できる相談先を紹介します。
  • 制度と支援策の情報提供:休職制度や労災申請など、利用可能な制度について正確な情報を提供し、必要に応じて選択肢を提示しましょう。

まとめ

カスハラ被害を受けた部下への対応には、「傾聴」「共感」「継続支援」の3つが重要です。

上司は信頼できる伴走者として、回復と安心の職場づくりを支える立場です。

また、上司自身も必要に応じて相談窓口などを活用し、自分の心の健康を守ることも忘れないようにしましょう。

組織全体での支援体制を構築し、カスハラのない職場を目指しましょう。