【コラム】クレームの3分類と見分け方を知ろう③ ハラスメントクレーム

それはもう「クレーム」ではないかもしれない

お客様からの不満や意見には、真摯に向き合うことが大切です。
しかし中には、「改善」や「解決」を目的とせず、従業員を攻撃することが目的になっている行為もあります。

それが、「ハラスメントクレーム」です。
もはやこれは、通常のクレーム対応の範囲を超えています。

ハラスメントクレームとは?

3.ハラスメントクレーム:毅然とした対応で現場を守る

「ハラスメントクレーム」は、社会通念を明らかに逸脱した暴言や脅迫、威圧行為などによって、従業員の心身に重大な悪影響を及ぼすクレームです。

いわば、「クレームの形をした嫌がらせ」
冷静な説明も通じず、恐怖や精神的ダメージを与えること自体が目的になっている場合もあります。過剰です。

実際にあった「あるある」事例 5選

事例内容
「バカ」「無能」「使えない」などの暴言を繰り返す担当者の人格や能力を執拗に否定
「お前の家調べた」「SNSで晒す」などの脅し身元特定や拡散をほのめかす威嚇
「あと1時間はこのまま文句を言わせろ」と居座る長時間拘束による業務妨害
「土下座しろ、でなければ済まない」と強要する社会的に不適切な謝罪の強制
「お前じゃダメだ。女は引っ込んでろ」など差別的発言性別や属性への攻撃的言動

ハラスメントクレームの見極めポイント

  • 明らかに問題解決の意思がない
  • 相手の言動が暴力的・脅迫的・人格否定的
  • 担当者に恐怖や萎縮を与えることが目的化している
  • 説明や謝罪をしても怒りがおさまらない
  • 対応を変えても、繰り返される・終わらない

対応の軸は「守る」「拒否する」「記録する」

ハラスメントクレームに対しては、誠実な対応ではなく、毅然とした保護の姿勢が必要です。

主な対応のポイント:

  • 従業員の安全最優先
     → 体調・表情・声の様子を確認し、必要ならすぐに対応者を交代
  • 明確な拒否の意思を伝える
     → 「そのような発言はハラスメントにあたるため、これ以上の対応はできません」
  • 記録を残す
     → 日時・発言内容・状況・対応者を詳細にメモや報告書に記録。録音も検討
  • 組織で対応する
     → 担当者個人に任せず、上司・人事・法務など関係部署で連携
  • 必要に応じて法的措置も視野に
     → 威力業務妨害、脅迫、名誉毀損に該当する場合は、警察や弁護士へ相談

「毅然と断る」ことが、働く人を守る

クレームのすべてに耳を傾ける必要はありません。
攻撃性・威圧性がある言動は、「お客様の声」ではなく「暴力」です。

企業には、従業員を守る責任があります。
そのためには、「これはハラスメントだ」と認識し、勇気を持って線を引く対応が求められます。

クレームの3分類

以下のように分類すると、状況の整理と判断が格段にしやすくなります。

参考にしてください。

分類特徴対応の軸
① 正当クレーム
(企業に明確な落ち度あり)
商品不良、説明不足、接客ミスなど。
事実に基づいた指摘。
改善や補償を求める声。
共感・謝罪・解決策の提示・再発防止の共有
② 過剰要求クレーム
(要求が常識を超えている)
土下座や過大な返金要求。
誇張・支配的な言動が見られる。
傾聴+毅然とした線引き+冷静な説明
③ ハラスメントクレーム
(悪質・威圧的・攻撃的)
暴言、脅迫、SNS拡散の示唆など。
目的は問題解決ではなく攻撃。
従業員の安全確保・拒否の明示・記録・組織対応

たとえば、こんな見分け方を

「商品が壊れていた」と連絡があった場合。
商品の状態や購入履歴が確認でき、冷静に話し合えるなら、それは正当なクレームです。

しかし、「こんな会社は潰れろ!」「顔と名前を覚えたぞ」などの言葉が出た場合は要注意。
相手の目的が「解決」ではなく「攻撃」にすり替わっているサインです。