【コラム】部下の不調、上司が一人で抱えない|産業医・人事と連携する判断基準とポイント

部下の様子が気になるとき、どこまで自分で対応すべきか、専門職に相談すべきか、迷うこともあるかもしれません。
しかし、そのタイミングや方法を誤ると、部下との信頼関係を損なうリスクもあります。
ここでは、連携の判断目安と、部下との信頼関係を保ちながらサポートするための具体的な方法を解説します。
連携の判断ポイントはこの3つ!
① 長期的な不調が続き、業務に支障が出ている
最初は「少し元気がないな」と思う程度でも、それが2週間以上続いているなら要注意です。
- 表情や口数が減り、笑顔が見られない
- 遅刻・早退・欠勤が増えている
- ミスや作業遅れなど、パフォーマンスに影響が出ている
- いつもと違う言動が続き、周囲も気にしている
「そのうち元に戻るだろう」と見過ごさず、いつもと違うが続いているかを意識して観察しましょう。
② 安全配慮義務の観点から緊急性が高い
不調が深刻化すると、本人や周囲の安全に関わる状況になることもあります。
- 「死にたい」「消えてしまいたい」といった発言(希死念慮)
- 自傷行為の痕跡や、極端な睡眠・食欲不振
- 業務中のミスが、本人や周囲の安全を脅かすレベル
こうした場合は、上司一人で抱え込まず、すぐに産業医や人事部門と連携する必要があります。
念のための対応でも構いません。安全第一で動くことが大切です。
③ 上司自身の対応に限界を感じる
最後の目安は、上司であるあなた自身の限界です。
- 話を聴くことで精一杯で、どう対応すべきか分からない
- 医療機関に行くよう助言しても、本人がまったく動かない
- 周囲からも「最近ちょっと様子がおかしい」と声があがっている
- 声をかけても「放っておいてください」と拒絶され、関係がこじれそうになっている
そのまま無理をすると、上司自身が疲弊し、職場全体に悪影響が出ることも。「限界を感じたら、迷わず相談」を合言葉にしておきましょう。
信頼関係を損なわない「伝え方」の工夫
連携の際、部下との信頼関係を壊さないことが大前提です。
以下のような伝え方の工夫で、相手の気持ちに寄り添いながら進めましょう。
● 一人で抱え込まなくていいことを伝える
「君の話を聞いていて、サポートがもっと必要だと感じた。私も一人で判断するより、専門家の力も借りながら一緒に考えたいと思ってる」
● 選択肢として提示する
「こういう時、産業医や人事に相談する人も多いよ。いきなりじゃなくて、まず一緒に話してみるだけでも大丈夫」
● プライバシーに配慮する
「人事に伝える内容は、必要な範囲にとどめるよ。君の気持ちを尊重したうえで進めたいから、できるだけ希望も聞かせてね」
このように伝えることで、「管理される」「評価に影響する」といった不安を軽減できます。
■連携後も見守り役として関わる
専門家につないだ後も、上司は部下の「見守り役」であることに変わりありません。
- 「最近どう?無理してない?」
- 「何かサポートできることがあれば言ってね」
小さな一言でも、あなたが気にかけているというメッセージになります。
まとめ|ひとりで抱えず、チームで支える視点を
部下の不調に気づいたら、まずは寄り添って話を聴くことが第一歩。
そして、状態に応じて産業医や人事との連携を判断し、本人の意思を尊重しながら橋渡しをすることが、上司に求められる大切な役割です。
上司の「気づき」と「つなぐ力」が、部下を守り、職場全体の安心にもつながっていきます。

