【コラム】「頑張りすぎて疲れたあなたへ|セルフコンパッションのすすめ
自分にやさしくできていますか?心を守るセルフコンパッション

仕事で失敗したとき。
人間関係がうまくいかないとき。
つい「自分はダメだ」「もっと頑張らなきゃ」と自分を責めてしまうことはありませんか。
真面目な人ほど、努力家な人ほど、自分に厳しくなりやすいものです。
気づかないうちに心が疲れてしまい、エネルギーを使い果たしてしまうこともあります。
そんなときに助けになるのが、「セルフコンパッション」という考え方です。
セルフコンパッションとは?
セルフコンパッションとは「自分への思いやり」を意味します。
アメリカの心理学者クリスティン・ネフ博士が提唱した概念で、自分を責めるのではなく、友人に接するように自分をいたわる姿勢のことです。
研究でも、セルフコンパッションが高い人ほど、ストレスを抱えても回復しやすく、落ち込みが長引きにくいことが報告されています。
つまり、自分を責めるよりも、自分を支える言葉をかけるほうが、結果的に前向きな行動につながりやすいのです。
まずは「今の気持ちを認める」ことから
セルフコンパッションを育てる第一歩は、「今、自分はつらい」と認めることです。
「弱いからこうなった」と責めるのではなく、「今は苦しいんだな」「落ち込むのも当然だよ」と受け止めてみましょう。
この認めるという行為だけでも、心の中の緊張が少しゆるむことがあります。
職場で使えるセルフコンパッションの例
たとえば、上司から厳しい言葉で注意されたとき。
思わず「やっぱり自分は向いていない」と落ち込むことがあるかもしれません。
そんなときこそ、「改善点が分かったのは次に活かせるサインかもしれない」と自分に声をかけてみましょう。
また、大きなプレゼンを終えた後、「もっと完璧にできたはずだ」と後悔することもありますよね。
そんなときは、「あのときの自分にできることはやりきった」と言葉を置き換えるだけで、気持ちが少し軽くなることがあります。
こうした小さな言葉の選び方が、セルフコンパッションの第一歩です。
優しさは甘やかしではない
しかし、「自分に優しくするなんて、甘えでは?」と思う方もいるかもしれません。
、セルフコンパッションは「自分を甘やかす」ことではなく、必要以上に責めて行動が止まってしまうことを防ぐ方法です。
優しさによってエネルギーが回復すれば、次の挑戦に向かう力が戻ってきます。
自分をいたわることは、むしろ仕事のパフォーマンスを支える土台になるのです。
日常でできる小さな練習
セルフコンパッションは、一度に身につくものではありません。
日常の中で、少しずつ練習していくことが大切です。
たとえば、
- 寝る前に「今日もよく頑張った」と声をかける
- 小さな成功を「できてよかった」と認める
- 落ち込んだときは「誰にでもそんな日がある」と思い出す
こうした“自分を励ます言葉”を積み重ねることで、心に少しずつ余白が生まれていきます。
まとめ|自分を責めるより、支える言葉を
セルフコンパッションは、心を守る力です。
失敗しても、自分を責めるのではなく、友人にかけるような言葉を自分に向けてみる。
それだけで、ストレスの受け止め方がやわらぎ、前を向くエネルギーが戻ってきます。
次に落ち込んだときは、一言だけでも「よくやった」と自分に言ってあげてください。
その小さな優しさが、あなたの心を支える力になります。

